地獄の底でハッピーエンドを

言葉を取り戻すために

一回の電話で一日が潰れた

数日間先延ばしにしていた憂鬱なタスクをやっと消化できる、私偉い

と、数分後に得られる自己肯定感を待ち遠しく思っていた矢先、そのなけなしのモチベーションが粉々に打ち砕かれた。それが今日の電話。こいつのせいで、せっかく効率的に動けていた(当社比)午前中が嘘みたいに午後まるまる潰れた。3時間泣いてうずくまって泣きつかれて心身ともに疲弊しただけで生産的なことが何もできなかった。

 

県運営のハロワ的なところで見つけた求人票に書いてあった「応募の際は電話連絡の上で履歴書をお送りください」。つまり、電話というハードルを超えないと履歴書を送ってはいけない。私が一番嫌なパターンだよ!!!マジでやめて!!!

 

きのう応募書類の相談行って、そのテンションを維持したまま勢いで電話した。そしたら、求人票とは違う会社名を名乗った人が出て「もしかして番号間違えた…?3回は確認したが…??」ってパニックになった。電話用のカンペが手元にあったにもかかわらず、その混乱だけでカンペの存在が頭からきれいさっぱりなくなった。

どもりながら「株式会社〇〇様でよろしかったでしょうか?」って絞り出したら、相手は察したような口ぶりで電話をつないで保留音に変わってた。そのとき相手がなんて言ってたのかは覚えてない。だって頭真っ白だったから。

 

保留音が途切れたあとに出た人は応募先の社名を名乗っていたけど名前が求人票と違う人だった。でも微妙に似ていたから、「私の滑舌が悪かったあまり最初に出た人が聞き間違いしたのか…?」ってさらに混乱。またどもりと沈黙を挟みながら、「あ、あの、〇〇さんは…」って聞いたら、「〇〇は席を外しておりまして云々」。これは書いてる今冷静になってるから思えたことだけど、担当者が不在なら「担当の者は〜」って先に言うよね?保留される前に私ちゃんと担当者の名前言ったからね???

 

応募したいので、ってことを担当者に伝えてもらうことにして、「こちらから折り返しましょうか」みたいなことを言われた。すでに脳内メモリキャパオーバーだったから手元のカンペを確認することなんて頭に浮かぶわけもなく「はいお願いします」即答。

 

息も絶え絶え通話を終えたあとに目に入った例のカンペを見て叫んだ。比喩ではなくガチで叫んだ。

先述のハロワ的なところでもらった紙で、「担当者が不在の場合は必ず自分でかけ直しましょう!」って書いてあった。太字で。

 

どもってばかりでまともに電話もできないうえに自分からかけ直すことも知らない非常識なやつだって思われたんじゃないか、っていう恐怖でわけわかんなくなって気づいたら右手にはカミソリがあった。久しぶり!このピリピリした感覚も久しぶり!懐かしいな!よくねえけど!!全然よくねえけど!!!

13時以降に向こうから折り返し電話があるっていうからヒヤヒヤしながら待つこと2時間、いつもはマナーモードのスマホの音をオンにしてたのに何も来ないから気が抜けた。近所のコンビニで酒を煙草を買って寒い日陰の灰皿の横でしゃがみこんで泣いてた。私にしては珍しく連続で3本も吸った。酒はちびちび飲んでたけど、いつもより明らかにペースが遅い。精神状態が体調にダイレクトに来る(でも他人からは仮病と疑われるレベル)から、体が酒を受け付けなかった。家に戻ってからもずっと放心状態で、PCやスマホは見るが何も手につかず一層「ダラダラネットサーフィンしてるだけでやるべきことを何もしない無能人間」という自己嫌悪が増すばかりだった。それでも、最近手に入れたfireタブレットGoogleプレイストアをインストールするという絶妙に面倒くさくて先延ばしにしてたタスクを空っぽの頭でなんとかこなしたからそこは、そこだけはえらい。

 

結局電話が来たのは16時50分ごろ。学生には即レスを求める側が終業時間ギリギリにかけてくるの草。着信音が鳴ったときベッドの上でくたばってたから思わず「なんで今かけて来るんだよ!!!」って叫んだけどちゃんと他所行きボイスで出た。えらい。

手首から血流して泣きながら書いたメモを読みながら話せたから、今後のやりとりは原則メールでしてほしいことと、求人票に書いてあった番号にかけたら違う会社名名乗られて困惑したことも言えた。なんとかなった。通話の8分が30分くらいに感じられて今日のHP使い果たした。こんなことを定形発達様は淡々とこなしているのかと思うと、私本当にクローズ就労できんのかって不安になるな。



対面だと、仮に言葉に詰まって沈黙が続いてマナーをコピペしたような応対ができなくても、仕草や態度で穴埋めが可能だからまだマシ。挨拶とかお辞儀とかがしっかりしていればなんとかなる、と自分で思える。

けど、電話だと声でしか伝えられないから、いくら私が本心で申し訳ないと思っていても、スマホを耳に当てながら頭下げてるのを空いてはわかるわけない。言葉に詰まったらただの非常識人間扱いされて終わり。

会話が苦手だから会話以外の行動でなけなしの社会性を補ってきたのに、電話だとそれができない。電話口の声だけで私という人間の100%をジャッジされてしまう。

だから電話が嫌だ。

メールも型が厳密すぎてうんざりするけども、考えて何度も文面を修正できるしリアルタイム感を求められないからそこはいい。もう業務連絡は緊急性のある一分一秒を争うレベルの要件でなけれな全部文字でのやりとりにしてほしい。

 

イレギュラーなこと(書いてあった人と違う人が出る、とか今回みたいなこと)が起こると慌てて焦って、頭の中のそれ以外のことを考えるキャパがなくなる。言おうと思っていたことが言えなかったり社交辞令を額面通り受け取ったりしてしまった結果、「最低限のマナーがなってない非常識なやつ」というレッテルを貼られてしまう。

 

コミュ障や発達界隈でなくとも、「電話は集中力削がれるし相手に振り回されて非効率的だからメールやチャットの方がいいよね」っていう流れが最近じわじわきてるから、もっと文字でのやりとりが主流になればこんな思いする人間が減るのになあ、と思いながら社不は今日も多数派に合わせてすり減らすのであった。

 

〜完〜